「牛丼王者、ラーメン覇者へ。」――吉野家が放つ“第三の矢”に業界震撼!

カルチャー

かつて、吉野家といえば“牛丼の代名詞”だった。
しかし今、その老舗チェーンがまさかの方向へ舵を切り始めている。

そう、「ラーメン」である。

■ 鶏白湯で勝負をかける——異色の一手

2024年12月、吉野家ホールディングスは、関西を中心に人気を博す鶏白湯専門店「キラメキノトリ」を展開するキラメキノ未来株式会社を完全子会社化。

キラメキノトリは、濃厚かつクリーミーな鶏白湯スープと、唯一無二の“ジャンク魂”を掛け合わせた若者向けラーメンで急成長中。
吉野家はこのブランドの可能性に賭けた。
ただの「多角化」ではない、本気の“参入”だ。

しかもそれは、吉野家の戦略のほんの一部に過ぎなかった。


■ 製麺から自社で——“ラーメンの吉野家”構想が本格始動

2024年5月には、ラーメン専業製造会社「宝産業」も傘下に収め、スープ・麺・タレの供給網まで手中に。

つまり、吉野家はすでに製造・ブランド展開・販売チャネルをすべて揃えてしまったのだ。
これは、単なるラーメン店運営ではない。
「インフラ」としてラーメン市場に入り込む覚悟の現れだ。

この動きに、「あの吉野家が……?」と外食業界には静かな衝撃が走っている。


■ 欧州上陸、“ばり馬”がイギリスで唸った

そして、極めつけが海外進出だ。
2024年10月、子会社のウィズリンクを通じ、スコットランド・エディンバラにラーメン店「ばり馬」をオープン。
現地では「ARIGATO」や「UMAMI」が飛び交い、行列も発生。

なぜ牛丼ではなくラーメンだったのか?
吉野家ホールディングス・河村社長は明言する。

「世界で一番ラーメンを売る企業になる」

あまりに直球すぎる宣言だが、それが逆にリアルに聞こえるのは、すでに“基盤”が整いはじめているからだ。


■ なぜ今ラーメンなのか?

吉野家がラーメンに本格参入する背景には、以下のような戦略的狙いがある。

  • 海外展開における汎用性:牛丼よりも受け入れられやすい
  • 中高年以外の新規層獲得:20代を中心にラーメン人気は根強い
  • フランチャイズ展開の柔軟性:ブランド別で戦略を組める

特に注目すべきは、ラーメンの“カスタマイズ性”と“地域適応力”。
「スープ文化」のない欧米でも、ラーメンは「日本カルチャー」の象徴として市民権を得ている。


■ 終わりに:牛丼の次は、ラーメンで世界を取る

「うまい、安い、早い」のスローガンで時代を築いた吉野家が、
今度は「濃い、熱い、広い」ラーメン事業で、次なる覇権を狙っている。

牛丼からラーメンへ。
その挑戦の行方に、業界全体が注目している。
もしかしたら数年後、「ラーメンの吉野家」が世界のスタンダードになっているかもしれない。

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