スーパーの棚から始める、ゆる漢方のすすめ〜第一歩は「陳皮(ちんぴ)」から〜

ヘルスケア

疲れやすい、夜になるとため息が出る——。
そんな毎日を送るあなたへ、少しだけ立ち止まって深呼吸してほしい。

漢方というと、「難しそう」「敷居が高い」「おばあちゃんの知恵袋みたい」…そんなイメージがあるかもしれません。でも実は、漢方はもっと身近で、現代の私たちの悩みにも寄り添ってくれるものです。

今日はその中でも「陳皮(ちんぴ)」という、スーパーの棚にもある「みかんの皮」から始める漢方をご紹介します。


陳皮ってなに?

陳皮とは、温州みかんの皮を干したもののこと。漢方では、これを「時間をかけて乾燥・熟成させたもの」を指し、保存が効き、香りが豊かになることで薬効が高まるとされています。

中国では「3年ものが上等」とされ、日本でも古くから胃腸薬などに使われてきました。漢方薬の処方の中でも、かなり頻繁に使われるポピュラーな生薬のひとつです。

驚くことに、家庭でも簡単に作ることができるんです。
皮をむいて、ざるに広げて、数日間乾かすだけ。天気の良い日に窓辺に置いておくだけでもOK。忙しいあなたでも取り入れられる、まさに「ゆる漢方」の第一歩です。


陳皮の取り入れ方

陳皮はそのまま料理やお茶に使える手軽さも魅力。以下のような方法で、今日からあなたの暮らしにも取り入れられます。

■ 陳皮茶

乾燥させたみかんの皮ひとつかみを熱湯に入れて5分。さわやかな香りとほんのり甘い風味が、心と胃にしみわたります。お好みで生姜やはちみつを加えても◎。

■ スープや煮物にひとつまみ

中華スープ、豚の角煮、鶏肉の煮物などに加えると、爽やかさが加わって食欲をそそる一品に。冷え性の方には特におすすめです。

■ お風呂に浮かべてリラックス

陳皮を布袋に入れて湯船に浮かべれば、香りに癒やされる“柑橘湯”に。肩こりや冷えの緩和、リラックス効果も期待できます。


ゆる漢方のはじまりに、陳皮を

漢方は「未病(みびょう)」、つまり病気になる前のケアを大切にします。
ちょっとした不調も、「気の乱れ」「血の滞り」「水の過剰」といった、バランスの乱れのサインとして受け止めます。だからこそ、「今日ちょっと疲れたな」と思ったら、そこで一息つく。そんな小さな積み重ねが、心と身体の安定をつくっていくのです。

「薬じゃなくて、自然の力で整えたい」
「頑張る自分を、やさしく癒してあげたい」

そんなあなたに、陳皮は寄り添ってくれるでしょう。


最後に:漢方は特別なものではなく、暮らしの中にある

「漢方って面白いかも」「自分の体の声を聞いてみようかな」——
そう思ってもらえたなら、この記事の役目は果たせました。

「スーパーの棚から始めるゆる漢方」、次は何にしよう?
たとえば、しょうが(生姜)は「体を温める代表選手」。シナモン(桂皮)は「冷えと巡り」に効く優秀生薬。
すこしずつ、日々の暮らしに漢方の考えを取り入れることで、きっとあなた自身のリズムも見えてくるはずです。

まずは今日、みかんを買ってみて。
その皮を、ていねいに干すことから——あなたの“ゆる漢方”が始まります。

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